Lee 101 100周年コレクションに迫る!②

「Lee 101 100th」コレクションをご紹介する特集全2回の後編は「Lee 101」の創生期の歴史を振り返ると共に「PREMIUM LINE」のカウボーイパンツ、101-Z ライダース パンツ、101-J ライダース ジャケットの3アイテムをご紹介します。

~Lee 101はカウボーイのためのジーンズとしてスタートした~

1889年
「H.D.Lee Mercantile Company」創設

1924年
1910年代から鉄道員や車の修理工にデニムのオーバーオール(つなぎ)で好評を得ていたが、この年、カウボーイ向けに開発された「COWBOY PANTS」がデビューする

1925年
翌年その「COWBOY PANTS」に「101」のスタイルナンバーがつく。←ここから2025年の今年が100周年

1938年
バックポケットの銅製リベット廃止。X型カンヌキの"スレッドリベッド"を採用

当時の広告がこちら

1945年ごろの「LEE COWBOY PANTS」の広告。この広告からしてもカウボーイの為のデニムパンツという事がうかがえます。

なぜ101がカウボーイの為のジーンズとして成功をおさめていったかというのは、Leeの会社の所在地がアメリカ中央部に位置しており、地域柄周りに牧場が多く需要が高かった為と推測されます。1938年にバックポケットの端を留めるリベットを銅製からスレッド(糸)に変えたのは、カウボーイの大切な馬の鞍を傷つけない為だったとされています。この他にも101のバックポケットはサイズが大きくなるにつれて左右の間隔が拡がっていくのですが、これは左右それぞれポケット位置が側部/アウトシームから1インチと決められているからです。そのルールの要因は馬に乗った状態でもバックポケットにアクセスしやすいように外側の位置に固定させる狙いがあったのではないかとされています。こういったディテールや特徴は今でもLeeのジーンズに多く採用されていますがその起源はこういうところから来ています。

 

そんなカウボーイの為のジーンズからより幅広い層の人に支持を得るため101は第二次世界大戦を境に変わり始めます。

 

~「COWBOY」から「RIDERS」へ~

1943年
「H.D.Lee Mercantile Company」から「H.D.Lee Company」に名称変更←この頃から101に様々な仕様変更が表れ始めます。

1946年
"レイジーSステッチ"の採用開始。"COWBOY"から"RIDERS"へ移行。RIDERSの商標登録。

1949年
現在まで続く「101-J」の誕生。(短丈に胸ポケット2つが付くトラッカータイプのジャケット)

当時の広告

第二次世界大戦の物資統制の影響でウォッチポケットのリベットの廃止、フロントボタンが鉄製に変更等いわゆる大戦モデルになるのですが、この頃に後のライダースモデルの象徴になるような仕様変更が起きます。ヘアオンハイドラベルからレザーラベルへ移行、シンチバック廃止、左綾から右綾へ移行。この大戦期を経たことでなのか、戦争終結後、幅広い層、より多くの人に向けて「101」を届けるべく名称を「カウボーイ」から「ライダース」に名称を変更します。綾目(生地の織り方)をそれまで右綾から左綾に変えた要因については諸説ありますが、左綾特有のデニムの柔らかさ、ソフト感を出し従来より履きやすいものにすることで、今まで101を穿いてこなかった人にも受け入れやすいジーンズに、という狙いがあったのではないのでしょうか?会社やライダースへの名称変更が同時期なのもそういった意欲の表れとも思えます。

こういった歴史、経緯を踏まえたうえで今回の101プレミアムラインをご紹介します。

 

【101 COWBOY WIDE PANTS】


カウボーイワイド セルビッジデニム¥33,000/濃色ブルー

トップボタン/ボタンフライ/センタータグ

トップボタンとセンター背面に位置するタグは100周年オリジナルのもの。トップボタン以下のボタンフライ仕様のボタンは無刻印のドーナッツボタン。

右綾(14オンス)

40年代前半まで存在した101の右綾デニムは糸のよりと逆方向に織られるので目が詰まり生地も伸びにくく表面の凹凸が維持されやすい。この凹凸により、凸部分の色が落ちることで「点落ち」と呼ばれる色落ちが楽しめる。この点落ちにより、膝裏のハチノスや、腰回りのヒゲなどのアタリが明確になりやすい。

裾の折り返し跡

裾を折り返して長い間穿いた際に生地が擦れて出来る跡。これをあらわしたものは中々見かけないがリアリティあるデザイン。

「101 Lee 100th」セルビッジ仕様

裾を折り返した際セルビッジにジャガードの100thアニバーサリーロゴが見える

シンチバック

ウエストを調整する補助的パーツでLee101では正確ではありませんが、1924年~40年代前半まで付けられていた。

ヘア オン ハイド ラベル

1936年に採用。40年代初頭には減少していき、レザーラベルに移行していく。当時は毛の付いたままの牛革にLeeのロゴを焼いて刻印していた。

スレッドリベッド/バックポケットステッチ

スレッドリベッドは馬の鞍を傷つけないように銅製から糸に変更された。X型のものは38年から採用。バックポケットのステッチはレイジーSステッチが採用されるまではアーキュエイトステッチやそれに似たステッチデザイン、大戦期には逆さアーキュエイトステッチなど様々なデザインが使用されていた。

その他のカラー:インディゴブルー¥24,200

ノンウォッシュのリジットタイプもあり、穿き込んで自分の色落ちに育てられる。

シンチバック、ヘア オン ハイド ラベル、右綾、X型スレッドリベットなので1930年代終わりごろから1940年代前半のモデルを連想させますが、実際にこのカウボーイワイド セルビッジデニムは30年代のカウボーイパンツをベースに制作されたようです。しかし、ワイドシルエットの太さは現在のトレンドを考慮してデザインされています。

"当時の古いディテールを踏襲しながらも、今っぽくかっこよく履けるかどうがやはり重要です。しかも、かなりワイドシルエットですが、当時もこんな感じで穿いていた人がいるんじゃないかとどことなく思えるリアリティを感じます。この右綾デニムの激しい色落ち&ワイドシルエットジーンズをリラックスした雰囲気におさめながらクリーンに穿いていみたい。"

 

【101-Z RIDERS LOOSE STRAIGHT PANTS】


ライダースルーズストレート セルビッジデニム¥33,000/濃色ブルー

ジッパーフライ

1927年世界初の防縮加工を施したジッパーフライジーンズ「101-z」が開発されている。なお、Leeは防縮加工に最も早い段階から目を付けていたブランドの一つとされている。個人的な見解、推測だがこの早くから防縮加工に取り組んでいた流れが穿きやすいジーンズ、左綾、東海岸の若者に受け入れられていくきっかけだったのではないのだろうか。

右綾(14オンス)

14オンスの右綾デニムを使用した「点落ち」。上述したカウボーイパンツよりもややインディゴが残っている色落ち具合。

レザーラベル

ヘア オン ハイド ラベルは40年代初頭には減少していき、レザーラベルに移行していく。

レイジーSステッチ

1946年に採用開始。バックポケットの飾りステッチとも呼ばれるが、内側の補強布を留める役割もあった。名前の由来はカウボーイが牛に押していた焼印のデザインがモチーフとする説や、馬の口を横から見たカタチなど諸説ある。レイジーSステッチはLee 101の象徴的なディテールとなっていった。

その他のカラー:インディゴブルー¥24,200

カウボーイパンツと同様にノンウォッシュのリジットタイプもある。

※先に述べたカウボーイパンツと同様のディテールに関しては説明を省略しています。

レイジーSステッチ、レザーラベル、右綾デニム、シンチバッグといったディテールを詰め込んだのは、COWBOY PANTSからRIDERSへの40年代の移行期をモデルベースにしているためで、実際にレイジーSステッチ、ジッパーフライ、右綾デニムのものは40年代半ばごろのもので存在したようです。しかし、プラスしてシンチバッグも完備しているものがあったかは定かではないようです。

"当時の戦中、戦後の物資不足の時代背景や移行期といったことからも、もしかしたらあったかもしれない、と現代で作ることに夢があります。先述のカウボーイパンツと同様にまず目がいったのは深みのある色落ちと裾を折り返した跡。当時のカウボーイは裾を二回折り返してその間に吸い終わったたばこを捨てて灰皿代わりにしていたという話もある。だから裾が長めなのだろうか?だから折り返し跡があるのだろうか?と思いを巡らせるのが楽しい。"

 

【101-J RIDERS JACKET】

ライダースデニムジャケット[スライド1,2]濃色ブルー¥55,000[スライド3,4]インディゴブルー¥44,000

PREMIUM LINE限定の缶バッジ

今回限定の缶バッチが付属。自由な位置に取り付けられる。風格がある重厚なヴィンテージスタイルのジャケットを軽く着こなすのに役立ちそう。

「101 Lee 100th」セルビッジ

ボタンフライ裏面のセルビッジ部分に「101 Lee 100th」のロゴ

右綾デニム

PREMIUM LINEには右綾デニム14オンスが使われている。

フロントポケット

右手で左ポケット、または左手で右ポケットに手が届きやすいようフロントヨークと連動して斜めに配置されたフラップ付き胸ポケット。カウボーイが馬上で作業する際の動きやすさ、使いやすさを追求した結果生まれた。

サイドアジャスター

シンチバックが無くなり登場したサイドアジャスターのボタンは樹脂製。

 
""今回ご紹介した3型のアイテムいずれも細部まで拘ったつくりで1930~40年代に想いを馳せられるアイテムです。しかし、服は着るものだから、これらの雰囲気あるディテール、色落ちで構成されたアイテムをどう着れるかがキーになってきます。そう考えると、ゆったり着れるシルエットで作ってくれているのは、多くの人が今っぽくリラックスして、なおかつ格好よく着こなせるのをアシストしてくれるように思います。
そして、やっぱり歴史あるブランドと歴史あるデニムを知るというのは楽しいですね。""

【お問い合わせ先】

エドウイン・カスタマーサービス
電話:0120-008-503
Lee 101 100th 特設ページ
公式ホームページ
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Information

「Lee」が渋谷にPOP-UP STOREをオープン!スタイルNo.「101」100周年を祝う特別なPOP-UP

Lee渋谷POP-UP STOREでは、Leeの歴史を象徴するマスターピースが一堂に集結。
ブランドの伝統と“MADE IN JAPAN”デニムのクラフトマンシップを体現したアイテムが並ぶ。
1925年にリリースされ、今年100周年を迎えた名作「101」のアニバーサリーモデルをはじめ、
ヴィンテージ復刻シリーズ「THE ARCHIVES」や、時代を超えて愛される定番アイテムを豊富にラインナップ。
店舗の内装は、Leeのブランドレガシーを感じさせるヴィンテージのディテールと、現代の感性が融合した空間に仕上がっている。
クラシックなムードの什器や、歴史的なアーカイブを展示するディスプレイを配置し、
130年以上にわたるLeeのストーリーとスタイルを体感できる特別な空間。
さらに、渋谷POP-UP限定アイテムをリリースし、デニムファン必見の特別な展開を予定。

- Date
~2025年8月31日(月)/営業時間:12:00~19:30
- Place
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-19-16宮下パークビル1F 102号室(キャットストリート側/旧U-naturaビル)/TEL:03-3400-6555

05.06

2025

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